【メタゲームで勝つ】転職エージェントの利用をおすすめしない理由
この記事はキャリア形成について考える記事です。
ぼく自身が「TOPIX100某社で採用活動に携わった経験」と「日経金融機関から外資系IT企業への転職をした経験」をもとにしています。
今回は「転職エージェントに登録する」以外の転職方法についてまとめてみました。
↓この記事を読んで欲しい人↓
- 「転職を考えている!よくわからないけど転職エージェントに登録すればいいのかな…?」という人
- 「転職エージェントに登録してエージェントと面談をしたけど、なんか違和感がある…うまくいかない…」という人
- 「GAFAMとかに転職したい!」「外資に転職したい!Twitterでイキりたい!」という人
はじめに
こんにちは。こまくり (@XmasVii)です。
突然ですが、正直に言わせていただきます。
転職エージェントを使った転職活動はおすすめしません!!
転職をする時に転職エージェントを使うのは、投資を始める時に窓口証券で口座を開いてしまうくらいのマズさです。
生まれた瞬間からバンカーショットです。
かなりの縛りプレイをすることになります。
リファラルもらった会社と、企業の人事から直接声をかけてもらった会社しか受けてません〜🕊 転職慣れしていない人はエージェントを使わない方が幸せになる思います🎄 #Peing #質問箱 https://t.co/6WsHWCVGUF
— こまつXmas♪ 🎄 (@XmasVii) 2021年10月25日
企業「そもそもエージェントからは採用しません」
例えば、あなたが「Googleで働きてぇ!」と思うとします。
そしてあなたは最初のアクションとしてリクナビエージェントに登録しました。
…ハイ、ここで詰みです。
このルートではGoogleへの入社は99%叶いません。
なぜなら、Googleは転職エージェントを通した採用を行っていないためです。
GAFAだとAmazonくらいですかね?エージェント越しに採用を行っているのは…
転職活動をメタゲームで考える
本題に入る前に、一つ小話をさせてください!
みなさま、メタゲームって聞いたことあります?
ぼくが常に意識している視点です。
メタゲームとは、ゲームの外のゲームのことです。
「これから参加するゲームと、そのゲーム以外の全体の傾向をふまえ、あらかじめ策を講ずること」をいいます。
例えば転職活動の場合だと「どの転職手段を選ぶか」というのがひとつのメタゲーム的な考え方です。
ぼくの転職先である外資系IT企業のオファーは、LinkedInをきっかけにゲットしました。
多くの日本人にとってなじみのないこのサービスを利用することで、
私の転職活動はリクナビやマイナビなどのエージェントを使った転職に比べ、間違いなく簡単なゲームになりました。
「あっ、今ぼくは確実にブルーオーシャンを泳いでる…」と自覚できたほどです。
今回の転職活動での面接は13戦12勝くらいの戦績だったんだけど、
— 🎄こまつXmas♪🇺🇸💸 (@XmasVii) 2020年11月6日
唯一落ちたのは名前に「クソ」のつく北欧企業。
ぼくも面接官もお互いイヤになっちゃって、コーヒー飲み終わったタイミングでお開きした。
一般的な転職エージェントを使用していたら、ぼくレベルの転職力では満足のいく転職はできなかった自信があります。
これは「どのような優れた能力を持っているか」よりも「どこで転職活動をするか」で勝負が決まった好例だったと感じています。
別にキラキラな経歴を持っていなくても、
そこそこの企業で数年働いて、
メタゲームさえうまくやれば、
大企業の人事部からたくさんお声がかかるし、新卒では見向きもされなかったような憧れの企業のオファーもゲットできるのです。
COBOL少し読める(書けない)状態から転職したわけですが、「ITに詳しくない法人顧客に対し折衝や支援を行ったことあるょ」という自慢話をしました。技術的な質問に対しては愛想笑いをしました。 #Peing #質問箱 https://t.co/1X00CvgxVx
— こまつXmas♪ 🎄 (@XmasVii) 2021年12月4日
コラム:メタ的な視点を持つことの大切さ
ぼくら日本人は幼い頃から受験やスポーツといった「定められたルールの中で競うこと」が良いこととされます。そのため、メタゲーム的な考え方がとても苦手です。
おじさんおばさんになってもこのことに気づいていない人はたくさんいますし、こうした発想は悪であるという人さえいます。
日本人は世界的に見ても目の前の与えられた問題を解く(ペーパーテスト的な)ゲームが大得意です。
しかし、人生における成功とは「どの問題に取り掛かるのかを決める」というメタゲームに左右される部分が大きいと思われます。
まずはメタゲームに強くなる以前の、その存在にすら気づかことができるようになることが大切ですね。
5つの転職手段の紹介
そもそも採用には5つの手段が存在し、それぞれコストが異なります。
転職する人の立場からすれば、企業がどんな手段で採用しようが大差がないように感じます。ぼく自身も新卒の就活時にはそう思っていました。
ですが、実際に自分が「採用する側」に回ってみると、どの方法で人を取るかによってかかるコストが大きく異なることに気がづきました。
※ぼくが携わったのは新卒採用のみですが、中途採用者向けの研修も受け学びました!
5つの採用方法
- ヘッドハンティングされる
- 転職エージェントに登録し、エージェントに勧められた企業に応募する
- ダイレクトリクルーティング型のサービスを使う
- ビジネス向けSNSで企業とコンタクトをとる
- 直接応募する。友人から紹介してもらう(リファラル)。
上記の番号は「採用にコストがかかる順番」を表しています。
採用側の視点から考える
たとえば、1番目の「ヘッドハンティング」はもっともコストがかかる手法です。
※ここではビズリーチやLinkedInなどで片っ端からメッセージを飛ばしてくる「自称ヘッドハンター(笑)」からのDMのことではなく、「ガチのヘッドハンティング」を指します。
たとえば年収1000万円であれば、300万〜1000万円のコストがかかります。
企業は採用者の年俸の3割以上の手数料をヘッドハンティング企業に支払います。
一方で、一番下の「直接応募・友人からの紹介(リファラル採用)」の場合、エージェントに払うお金はありません。
紹介元の社員への謝礼金を除けば、ほぼタダで採用が可能です。
転職者の立場から考える
上記1~5の採用方法とコストをもとに考えてみましょう。
もしあなたが極めて優秀な人物・高い実績を出した人物(いわゆるエグゼクティブクラス)であれば、ヘッドハンターやエージェントは本気になって素晴らしい案件を紹介してくれるはずです。
企業側からしても、高いコストをかけて採用する価値があります。
一方で、もしあなたが一般的なサラリーマン、ましてや第二新卒であれば、企業からすると高いコストをかけて雇う理由がないわけです。
つまり、一般的な非管理職なら企業側にコストがかからない採用方法で選考フローを進むほうがメタ的に有利となり、
企業が高いコストを払ってでも採用したいような優秀な人材なら、ヘッドハンティングや転職エージェントを利用することにうまみが出てくるということです。
…高い能力を持っていない人材を、高い手数料をかけてざるを得ない(=エージェントを使わざるをえない)企業には、何らかのワケがあると考えてよいかもしれません。
個人的な考えですが、転職エージェントが強く推してくる企業はむしろ怪しいと考えます。
エージェントとの利益相反問題
ひとつ前のチャプターの最後に「転職エージェントがやたらと推してくる企業は何か問題があるのでは?」と不穏なことを言って閉めました。
その理由を深堀りしてみましょう。
転職エージェントがやたら推してくる会社を注意した方がいい理由は、リファラル採用や、直接応募では採用活動が滞っている可能性があると考えられます。
そもそも、本当に優れた会社には勝手に人が集まります。
最近では「社員紹介メインの採用」を公言する大手企業が増えてきています。
そういった人気企業へは、エージェント経由で入社するのは難しいでしょう。
【例】
- メルカリ
- ヤフー
- セールスフォース
- 日本マイクロソフト
リファラル採用は、費用が安いのに加えて、その会社のカルチャーにフィットする人材が多く離職率が低いというデータもあります。
(加えて、優秀な人が紹介する人は優秀…という理屈も)
もしあなたが「今の会社にとても満足している状態」だとしたら、転職を考えている友人や元同僚がいたら職場を紹介してあげたいと思いませんか?
つまり、エグゼクティブ層以外の採用を目的として転職エージェントを使いまくる企業は「リファラル採用がうまくいっていない」可能性があり、
リファラル採用がうまくいっていないということは「働いている人の満足度が低い」かもしれない…ということです。
これが転職エージェントがやたら推してくる会社には注意をした方がいい理由です。
結論:自分で調査し、自分で応募しよう
自分がやりたい業界・業種が決まっているなら、自分で調べるのが一番です。
今はSNS型のサービスや、社員口コミサービスで自分で調べることができます。
具体的には、LinkedInやオープンワーク、Wantedlyなどのサイトを使えばよいのではないのでしょうか。
※すみません、ぼくはWantedlyは使いこなせませんでした。
これらのサービスを使って
(1)自分のやりたい業種や職種を検索する
(2)その企業のブログや働いている人のSNSを見る
(3)その中で興味がわいた企業の人事や社員と話してみる
の3段階で進めていくことをおすすめします。
私自身、調べていた相手企業の社員と話をしているうちにリファラルをもらえる…ということも何度かありました。
採用担当を経験したり、身近に外資系企業への転職をした人がいないと、
なかなか「自分で調べて、自分で応募する」という選択肢はでてこないかもしれませんね。
しかし、だからこそのブルーオーシャン。
ぜひチャレンジしてみていただきたいです。